

2022.06.10
各オウンドメディアでお客さまの声を聞く取り組みを実施。
日清製粉ウェルナがファンを大切にする理由
株式会社日清製粉ウェルナ
堀野 倫広さん・南部 祥宏さん
- FanPos
※FanPosは、2024年1月~アライドアーキテクツに事業継承いたしました。
“ファンの方々の声を聞く取り組みをはじめたことで、私たちに期待してくださるお客さまが多くいることを再認識できました”
こう語るのは、小麦粉・パンミックスなどの「日清」、パスタ「マ・マー」、パスタソースなどの「青の洞窟」を扱う総合食品メーカーの株式会社日清製粉ウェルナ様のCRM推進部 デジタルマーケティング室の堀野 倫広さん・南部 祥宏さんです。
現在、同社のオウンドメディアやファンコミュニティでは「FanPos」(旧:ファンベース診断Lite)を導入され、ファンの声を聞く取り組みを実施中。施策をはじめた背景やファンの声を聞くことでどんな気づきがあったのか。おふたりに話をうかがいました。聞き手は、ファンベースカンパニーの佐藤佳奈です。
接点ごとのファン層の違いを把握でき、多くのファンがいらっしゃるのだと嬉しくなりました。
南部さん:デジタルを活用しながら、生活者のみなさまに弊社の商品やブランドをより好きになっていただくことを目指した活動を主に行っています。具体的には、弊社のコーポレートサイトや「日清」「マ・マー」「青の洞窟」などの各ブランドのWebサイト、SNS、ファンコミュニティの運用。他には、デジタル販促施策の企画推進なども担っています。

FBC佐藤:各施策を拝見すると、お客さまとの繋がりをとても大切にされていると感じるのですが、その背景とは何なのでしょうか?
堀野さん:ひとつは社会的な背景です。国内の人口が減っていくなかで、お客さまの規模を広げようと思っても限界があります。新しいお客さまとの出会いも大切ですが、既に私たちの商品を購入いただいて、愛用いただいているお客さまとの関係を大切に育んでいきたい。そうした想いが根幹にあります。
加えて、弊社商品の売り上げ構造を調査をすると、商品に愛着をもってくださっているお客さまとそうでないお客さまで、年間の購入量に大きな差があることが判明しました。お客さまに商品をより好きになっていただくことの意味を、データとして社内に示すことができたことも、活動に注力できる要因になっていると感じます。
南部さん:また、私たちの商品にはどれもこだわりや想いが詰まっています。店頭やテレビCMですと、伝えられる情報量に限りがありますが、WebサイトやSNSはそうではありません。同じ社員である私たちが聞いても驚くような情報が社内には沢山あるので、デジタルを通じて、それを伝えていきたいと思っています。
サイトに訪れるお客さまのことをもっと知りたい
FBC佐藤:そのなかで、ファンの声を聞くことに関心をもたれた理由は何だったのでしょうか?
堀野さん:きっかけは、弊社のオウンドメディアやファンコミュニティに訪れてくれているお客さまのことをもっと知りたいということです。
例えば、日清製粉ウェルナのコーポレートサイトではレシピコンテンツに力を入れていて、結構な数のアクセス数があります。ただ、実際にどんなお客さまが訪れていて、どういう点を気に入って訪問いただいているのかなどが、あまりわからなかったんですよね。

南部さん:それであれば、自社のWebサイトやSNSでアンケートを呼びかけて、お客さまの声を募集すればいいのではと思うかもしれませんが、以前の私たちにはその発想がなかったんですよね。アンケートを設置しても、答えてくれないかもしれないという思い込みがあったのかもしれません。
そうした課題感を持っている時に紹介されたのが「FanPos」でした。自社のオウンドメディアでアンケートを呼びかける方法が有効なんだと知り、試してみたいと思いました。
また、アンケートを常時設置することで、新商品やキャンペーンに対して、お客さまが私たちに伝えたいことがあったときに、その声をいつでも受け取ることができます。お客さまとの関係を大切にしていきたい私たちにとって、そうした体制をつくれることにも価値を感じました。
ファンから寄せられた回答の多さに驚き!
FBC佐藤:オウンドメディアでは、どのようにアンケートを呼びかけているのでしょうか?
南部さん:基本的には、画面の隅にポップアップで「アンケートにご協力ください」と表示させるのみですね。こちらからアンケートへ誘導するようなことは極力控えるようにしました。
FBC佐藤:実際、どれくらいの量の声が集まっているんでしょうか?
堀野さん:なんと、これまでに合計で1万件以上の回答をいただいています。無償のアンケートですので、こんなに多くの回答をいただけるとは予想しておらず、正直驚きました(笑)。

FBC佐藤:すごい量ですね!フリーコメントには、どのような内容をいただくことが多いですか?
南部さん:様々な内容がありますが、「あの商品の販売が終了してしまったのが残念です」「以前発売していたあの商品を復活させてほしい」といった終売した商品を惜しむ声が多く届いたことが印象的でした。
販売終了してしまった商品のなかにも、ファンの方々から強く愛されている商品がある。そうした商品は打ち出し方などを整えて、再チャレンジする価値があるかもしれない。そんな風に、今後の商品開発において、お客さまの声が活かせるかもしれないという声が社内からでています。
ファンミーティングと併せて、より双方向な関係へ
FBC佐藤:ファンの方々の声を聞く取り組みをはじめて、他に印象的だった発見はありますか?
堀野さん:「FanPos」では「ファン度」が測れますが、「コアファン」「ファン」に該当する回答をいただいたお客さまが多いことが嬉しい驚きでした。私たちの会社や商品に期待してくださっているお客さまが多くいらっしゃることを再認識できました。
南部さん:また、「ファン度」とフリーコメントをクロスして見ることができるので、どういう想いでコメントを書いてくださっているのかがわかります。当社や当社商品のことを「大好き」とか「継続して応援していきたい」と考えてくださっているお客さまが、どんなことを私たちに望んでいるのか。それを知ることができたことも大きいと感じました。

FBC佐藤:ファンの声を聞くという点では、ファンミーティングを実施して、直にお客さまの声を聞く活動もされていますよね?
南部さん:そうですね。ファンコミュニティの参加者やSNSのフォロワーの方々に呼びかけ、定期的に実施しています。商品の好きなところや、今後どんな商品が発売されると嬉しいかといったアイデアを聞かせていただくのですが、新鮮な驚きや発見が毎回あります。
堀野さん:お客さまの声を幅広く聞かせていただく「FanPos」と、お客さまに直に話を聞かせていただくファンミーティング。このふたつの施策を並行して行うことで、より双方向な関係をお客さまと築くことができてきたのではないかと感じています。
ファンの声を聞き、よりよい施策をファンに届けたい
FBC佐藤:最後に、おふたりが今後挑戦していきたいことを教えていただけますか?
堀野さん:そうですね。ありがたいことに多くのお客さまから声をいただいているので、その声を商品開発や施策に活かしていくことに力を注いでいきたいです。
実は、「FanPos」やファンミーティングで集まったお客さまの声を知りたいという問い合わせが他部署から届くことが増えていて、お客さまの声を自分たちの活動に活かしていきたいという機運が社内全体で徐々に高まっていることを感じます。
ただ、「具体的に、どういう風に活かせばいいのか」という点はまだまだ試行錯誤という段階なので、私たちデジタルマーケティング室のほうでリードしていけたらと考えています。
南部さん:また、デジタルマーケティング室が担当しているWebサイトやSNSなどの運用においても、お客さまの声を活かして、お客さまに共感いただけるコンテンツ発信やコミュニケーションをしていきたいです。
どういったレシピであれば、ご自身でも料理してみたいと思えるか。どういった企画だったら、その企画に参加したいと思えるか。そういったコンテンツの企画においても、お客さまからの声を聞きながら改善を繰り返していきたいと考えています。
お客さまの声を聞き、お客さまにより喜んでいただけるような施策を実施していく。そうしたサイクルをしっかりと築いていきたいです。

インタビューをした人

Profile佐藤 佳奈ファンベースプランナー
玩具メーカー、食品メーカーなどを経てファンベースカンパニーに入社。プランニングの他、ファンベースカンパニーのサービス開発、ファンの行動心理の研究などを担当。たくさんの企業の方に「ファンを喜ばすことほど、楽しい仕事は他にはない!」と感じて頂けるよう、日々励んでいます。スポーツ観戦と海が大好き!好きなものをオススメしがちです!
FBC佐藤:はじめに、おふたりが所属するデジタルマーケティング室について教えていただけますか?